8.紀寺のノガミ
所在地:奈良市紀寺
日程:6月1日
場所:能登川沿いにある榎木の下の野神塚。マクドナルド奈良紀寺店前の川を越えたあたりにあったが、2022年の調査では新しい住宅が建っていて、確認できなかった。
祀られる対象:ヨノミの木。ノーガミは農の神と伝わる。
行事:2006年の調査ノートから
朝5時30分ころに農家組合の皆さんが集合。
5時50分にノガミ塚(一本木塚)にお供えすることから始まる。一人一人が参拝して6時5分に終わる。その後直会となる。しばらくすると塚に塩と酒を塚にまく。場所は山本さん(南紀寺町1丁目)の北側の裏庭。日が昇るころ、農家組合の方々がへ集まり、御幣を一本立てて、塩、洗米、お神酒、サカキを供え豊作を祈願する。現在の野神塚は10㎡余りの広さだが、昔は3倍以上もあった。紀寺町の古い時代は興福寺所領で、南は古市町まで一面に畑が広がる広大な土地であったという。住宅化が進んだ戦後の頃までは東の白毫寺、南は遥か向こうの祝川まで見渡せたそうだ。ひとり一人がお祈りを終えると、持参したツマミとお酒で直会が始まる。塚の前で懐かしい昔話に話題が広がり、宴もたけなわになると、塩、洗米、お神酒を塚にばら撒き野神さんに感謝する。昭和30年代の農耕の主役は牛。当時は牛を引き連れ塚の周りを三度回り、牛に酒を飲ませたそうだ。牛のエサは栽培したハダカムギとイナワラにヌカを混ぜたものだった。6月初旬にムギを刈り取った後、稲作田を荒起こすのだが土が固くなりなかなか耕せなかったという。
